「あまろっく」感想・みんなが感動する高評価の映画でまったく泣けなかった理由

テレビで気になったこと

 

「あまろっく」感想・みんなが感動する高評価の映画でまったく泣けなかった理由

 

これは観客が絶賛し感動して「泣いた!」という声が続出の評価が高い映画でまったく感動できなかったという、いち観客の感想です。

 

この記事は2024年4月19日(尼崎では4月12日)公開の「あまろっく」についての感想です。

「あまろっく」は尼崎が舞台の映画で、ユニコーンの「アルカセ」という曲が主題歌になっています。私はダウンタウンファンなので尼崎=ダウンタウンであり、さらにユニコーンファンである私にはうってつけの映画だと思い観に行きました。もちろんダウンタウンもユニコーンも映画本編には出てこないことはわかっていました。

そして世間では高評価の映画でまったく感動できなかったことに愕然としつつその理由を探るため感想文を書き連ねています。なので全体的にまとまりがないです。申し訳ありません。

 

「あまろっく」感想(ネタバレ注意)

 

(ネタバレしまくっているので未見の方はご注意下さい。わりと否定的な内容なのでそういうものが苦手な方はこのページをお閉じ下さい)。

 

 

 

 

主題歌であるユニコーンの「アルカセ」を映画館で聴きたくて見に行きました。
おでん屋店主役の駿河太郎さんは映画本編では主人公・優子の本音と愚痴をひたすら聞かされるだけで終わってしまいますが、「アルカセ」のMVでは駿河さんがフィーチャーされています。
映画本編について。
まず中条あやみさん演じる早希が、父親が不倫相手と家出したという過去を持ち恵まれてるとは言い難い家庭環境で育ったのに、結婚して良い家庭を作ることに憧れ固執するあまり前期高齢者に逆プロポーズして断られたら押し倒してモノにするという凶行の末に結婚……というちょっと狂気的なキャラでした。
他人の幸せを自分の物差しで測るタイプというか、人の幸せを否定して自分の価値観を押し付けるキャラだったので、見ててしんどかったです。
早希は家庭環境に恵まれなかったから結婚に憧れ(私だったらそんな家庭で育ったらむしろ結婚なんてしたくないと思いますが)、結婚=幸せという価値観を持っているようですが、価値観は人それぞれだし何を幸せと感じるかも人それぞれなので、早希が結婚することが幸せと思っているのは別に良い。けど他人に押し付けるのは良くない。
特に変化のない日々を送る主人公の優子に「そんなの幸せじゃない。ごまかしてるだけ」と決めつけたり、頼んでもないのに「幸せになってほしいから」と勝手にお見合いさせようとしたり、結婚=幸せという固定観念に縛られすぎていて、そういうの、今の時代に合ってないよ……と思ってしまいました。
江口のりこさん演じる優子は外出できるタイプの引きこもりに該当すると思われますが、引きこもりに対する早希の対応がとにかくダメすぎて見てられない。腫れ物に触るように気を使いすぎるのもよくないが、いきなりお見合いをすすめるのは乱暴すぎる。現実であんなことしたら引きこもりが悪化するか狂暴化する恐れがある。真似する人が出ないことを祈ります(いないと思うけど)。
そもそも早希は家族団欒にこだわってるわりに余計な一言というか無神経な発言が多い。「裁縫したって結婚相手は見つからんよ」とか(優子は結婚相手を見つけるために裁縫してたわけじゃない)、執拗にお見合いや結婚を優子にすすめるところにやはり狂気を感じるし、家族団欒したいと言いつつ本当は優子を追い出したいのかなと思ってしまいました。
結局はそのお見合い相手がたまたま同じ大学卒で以前から優子に好意を持っていたのでなんだかんだありつつゴールインするのですが……これは果たしてハッピーエンドなのか?

なぜ仕事の話ではなく結婚の話になるのか

 

優子は会社員時代、仕事が出来ても彼氏がいたことがないからと笑われ、仕事が出来るのに協調性がないからと社会からはじかれてしまい、それからずっと定職に就かず早希がやって来たあとも就職する気配はなく、降ってわいたようなお見合いの話がただただ都合よく進んでいくという展開……女性は理不尽な理由でリストラされて人生挫折しても結婚できればオールOKってこと?
優子は彼氏がいたことがないらしいと影で笑っていた人たちを結婚で見返すことは出来たのかもしれない。けど仕事が出来るのに優子を会社から追い出した人たちを見返したことにはならない気がして、なんかすっきりしない。
なぜ仕事しないの?と近所の小学生に聞かれても優子は答えず、その疑問は置き去りにされたまま、なぜか結婚の話がトントン拍子に進んでいく展開が個人的には不可解でした。
仕事を辞めさせられたことにくすぶってたなら仕事で這い上がってく展開のほうが個人的には見たかった。仕事出来るのに会社クビになったけど結婚したから解決!みたいな結末にモヤってしまった。
けどこの映画の本質はそこじゃない。
この映画は優子と早希が、鶴瓶さん演じる竜太郎を通して出会い、竜太郎を失ってから絆を深めていく物語だった。
リストラや地震や、人生には理不尽なことが度々起こるけど、いろんなことを受け入れて生きていかなきゃいけない。
それは仕事や結婚を急かすわけでもなく、黙って優子を守っていた近松家のあまろっくこと竜太郎の「人生で起こることはなんでも楽しまな」の精神で、楽しんで受け入れるくらいの気持ちで生きていくこと。
それがこの映画の本質なのかもしれない。

私は結婚したからって幸せになるとは限らないと思っているので、あれがハッピーエンドと言われてもなんだか違和感がありますが、ファンタジー映画として見たら楽しいと思います。

私がこの映画で感動できなかったのは、引きこもりの人に対する対応とかその辺の描き方が無神経すぎて、そこはこの映画の本質ではない部分でしょうけど、それがずっと引っかかって感動できなかったのかもしれません。

江口のりこさんや中条あやみさん、鶴瓶さんら、演者の皆さんはとても良かったです。
そして映画館で聴く「アルカセ」もとても良かった。
しつこいけど引きこもりの人の毎日を頭ごなしに否定して自分の価値観を押し付けるような真似をする人が現実に現れないことを祈ります。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました