「箱の中の羊」感想!(ネタバレ注意)
2026年5月29日(金)に是枝裕和監督の最新作「箱の中の羊」が公開されました!
(※以下映画のネタバレがあるのでご注意下さい)
「箱の中の羊」あらすじ
息子を亡くして2年、建築家の音々(綾瀬はるか)と工務店の二代目社長を務める健介(大悟)の甲本夫婦は、息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。
彼が到着した日、「おかえり」と駆け寄り喜びを隠さない音々と、戸惑いを隠せない硬い表情の健介。
「パパだよね」と問いかけられた健介は、「おじさんでええよ」と答えるのだった。
少しずつ動き始める家族の時間。静かに広がっていく波紋。
ほどなく予期せぬ事態が起こり、夫婦がそれぞれに抱く息子の死への想いが露わになっていくのだった。
夫婦とは?家族とは?彼らは大きな決断に迫られる。
そんな中、ヒューマノイド翔は密かにヒューマノイドの仲間たちとつながり始める──。
「箱の中の羊」もう少し踏み込んだあらすじ(ネタバレ注意)
事故で亡くなった息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れ、最初は喜んでいた音々も、突然押しかけてきた母親に否定されたり、翔に心を読まれてしまったことで、徐々に変化していきます。
音々はもともと母と折り合いが悪かった上に、翔が亡くなった日、母が急に来たため翔を迎えに行けなくなった、翔が事故に遭ったのはお母さんのせい、と母と自分を責めていました。
一方、ヒューマノイドの翔に戸惑っていた健介も、次第に翔と心を通わせていきます。ある日健介は、事故に遭った時に着ていた服を翔に着せて現場に行き、あの日何があったかを問いただします。
近辺で児童が行方不明になる事件が相次ぎ、解決していないことから、もしかしたら翔は誰かに殺されたのでは、という疑念があったのです。
同時に、翔が亡くなった日、音々が翔を迎えに行けなくなり、健介が行くことになったのに、パチンコで玉が止まらなくなってしまい行くのが遅れてしまった、もっと早く行っていれば……と健介も自分を責めていました。
翔に謝りうなだれる健介が、警察に不審者と間違えられる騒動が起き、音々と健介は口論となってしまいます。
一方、ヒューマノイドの翔は、ヒューマノイドの仲間と出会い、捨てられたヒューマノイドや虐待された子どもと廃校に集まり、自分たちだけで暮らす計画を立てます。
そのことを知った音々と健介は、音々の実家がある広島のとある山奥へ彼らを連れて行き──。
「箱の中の羊」のタイトルに隠された意味とは?
私は1回見ただけですが、1回見ただけでは消化しきれないストーリーだな、と感じました。
物語の舞台は鎌倉近郊で、是枝監督と綾瀬はるかさんがタッグを組んだ「海街diary」を彷彿とさせます。
まず、「箱の中の羊」とは何か?
音々が翔に「星の王子さま」を読み聞かせるシーンがあります。「箱の中の羊」は「星の王子さま」でパイロットが王子さまのために描く絵のことで、王子さまに「ヒツジの絵を描いて」とねだられたパイロットはヒツジの絵を描くも、いくら描いても王子さまは納得せず、やがてパイロットはやけになっていくつかの穴が開いた木箱を描き「この中にヒツジがいる」と告げたところ、王子さまは大喜びする、というエピソードです。
私はこの話、正直よくわからないな……という感想なのですが、この小説の魅力は?と聞かれた是枝監督も「よくわからないところ」と答えていました(^_^;)
もうひとつ、この映画の公式サイトやパンフレットなどで使われている「箱の中の羊」の字体(フォント)が微妙に違うことも、何か意味があるのでは?と感じたポイントでした。

↑箱「の」中「の」羊、「の」の字体の微妙な違い、おわかりいただけたでしょうか……。ただのミス?とも思ったけど、こんなミスするかな?とも思いました(^_^;)
冒頭で「遠くない未来」というテロップが出て始まるこの作品は、ドローンで宅配便が届き、ヒューマノイドと共存している世界となっていますが、ヒューマノイドはまだ完全には受け入れられていない異質なもの、と描かれているようにも感じました。
建築家の音々は、「木を他の素材と合わせるのは難しい、だから面白い」というようなことをヒューマノイドの翔に語ります。
ヒューマノイド・リーダーと出会った翔は、傷つき捨てられた他のヒューマノイドたちに音々のその言葉を伝え、自分たちの居場所を作ろうとします。ヒューマノイドである自分たちが自然の中で暮らし、全く違う素材である「木」と共存できたら面白い、と考えたのではと思いました。健介の工務店の従業員である昭男に、「木は死んでも生きている」と教わったことも、印象に残ったのでしょう。死者の記録によって作られた存在である自分たちと、通じるものがあると思ったのかもしれません。
彼らの計画を知った音々と健介は、捨てられたヒューマノイドや虐待された子どもも連れてトラックで広島のとある山奥へ行くのですが、ヒューマノイドたちはともかく、人間の子たちも連れてっていいの…?という疑問も残りました。(^_^;)
あのラストで、甲本夫妻が前向きになれたのならまあいいか……とも思いました。
いろいろと疑問点は残りますが、好きだな、と思える作品でした。
近いうちにもう一度見たいと思います♪

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